【 ご挨拶と自己紹介 】
大學堂は2008年のオープン以来、北九州市立大学の九州フィールドワーク研究会(野研)の学生たちが中心となって運営してきました。大學堂の名物は、市場の食材をのせて楽しめる大學丼です。だけど、「ほんとうは何屋さんなのですか?」とよく聞かれます。あるときは小物屋さん、あるときは大学の講義室、また音楽や舞踏、落語やお芝居の舞台にもなる不思議なところ。大學堂は、昭和の薫りただよう旦過市場に育てられた「街の縁台」なのです。
大學堂公式HP
https://www.daigakudo.net/
【 クラウドファンディングの目的 】
先日の旦過市場の二度目の火災で、延焼を免れた大學堂でしたが、被災した隣家の撤去作業を進めるなかで、最終的に取り壊しとなってしまいました。 建物を残すことはできませんでしたが、大學堂が開店以来これまで14年間に積み重ねてきたことを振り返り、大學堂の灯を消さず、さらに先に進んでいくために二つの事業を計画しました。みなさんのご支援を、ぜひよろしくおねがいします。
(1)2022年12月:大學堂跡地にて「死と再生の祭 REINCARNATION_01」の開催
これまで、大學堂では音楽や踊り、落語や講演など、さままざな文化イベントをおこなってきました。公演者の数は数十人におよびます。そこで思い出の大學堂の跡地を会場に、年末の旦過市場がさらににぎやかになるように、大學堂のゆかりのあるアーティストたちが一堂に会し、市場と大學堂のよみがえりを祈りながら「死と再生の祭り
REINCARNATION_01」を開催いたします。
(2)2023年7月:大學堂誕生15周年に向けフォトエッセイ「大學堂がくれた夢 ―旦過市場でであった100人の声」の出版
大學堂の14年間の歴史の中で、市場の人たちと交流しながら店を守ってきた歴代の店長たち、さまざまなイベントでお世話になったアーティストたち、懐かしい街の雰囲気に魅せられた映画監督たち、大學堂のユニークな取り組みに興味を示した研究者たちに寄稿を依頼し、100人を越える豪華な執筆陣によるフォトエッセイ「大學堂がくれた夢―旦過市場でであった100人の声」を出版します。
※いただいた資金は、運営元である九州フィールドワーク研究会が受け取り、会計管理をおこないます。
【 大學堂の歴史 】
大學堂での日々
14年前に大學堂ができたときかから、ここに「祝祭の場」として多くの人が集まり交わる新たな空間を作りたいと考えていました。市場の中にある大學堂は学問や芸術との親和性が高く、買い物客や商店主が立ち止まってイベントに参加できる街の中の「縁台」に育っていきました。大學堂は、「今日は誰がおるんか」「今日はなんしよるんね」と日々会話が交わされるような、そんな場所でした。
観光拠点や「聖地」としての大學堂
やがて全国各地からの旅人が立ち寄るようになり、市場内の店舗をまわりながらオリジナル丼をつくる「大學丼」が誕生しました。新鮮な刺身や名物のぬか炊きといった旦過市場の美味しい食材と、沸き起こる食欲と、自分の財布と相談しながらつくる丼です。こうして訪れた人々に市場全体を楽しんでもらう仕組みができあがりました。
不思議なことに大學堂は県内の人よりも県外の人に、国内の人たちよりも国外の人たちに、よく知られていました。コロナ禍以前には、世界各地の旅行者がSNSの情報をたよりに旦過市場の大學堂を目指して集まってきました。中国やシンガポールなどのお客さんは、とても懐かしいと喜んでいました。その国では、すでに失われてしまった風景が旦過市場にはあったのです。映画やテレビドラマのロケ地としても使われ、大學堂はいろいろな国の人たちの聖地となりました。
学び舎としての大學堂
大學堂がオープンしてから14年という月日が経ちました。運営の主体は学生ですから、たまにちょっと長めに学生生活を送ったとしても、数年もしないうちに店長が入れ替わってしまいます。これまで数十人をこえる学生たちが大學堂で店長をしてきました。そして大学の講義室では学べないようなさまざまな経験をしています。旦過市場という都会の中の村のような、小さなコミュニティで活動することによって、ソーシャルスキルが磨かれ、コミュニケーション能力が鍛えられます。大學堂は社会や人間関係を学ぶ理想の大学でした。
私たちにとって大學堂は、ただの「建物」ではなく、過去の思い出も未来の可能性も詰まっている「生きている学び舎」なのです。
【 最後に 】
建物は解体されてしまいましたが、大學堂はこれからも続いていきます。そんな大學堂のよみがえりを祝うためのイベントとこれまでの軌跡を記した本の出版をまずは成功させたい。そのために皆様の力をお貸しください。これからも大學堂でおしゃべりやライブを楽しみましょう。
ぜひ、あたたかい支援をよろしくお願いいたします。
大學堂店長一同